背景
ハイサイ!こんにちは!オムでーす!
「いきなり何言うとんねーん」ってツッコミが入りそうだけど、
実は今回のテーマは『沖縄の木彫りの文化』で、冒頭の言葉は沖縄の方言だったのだ。
これから話す内容はオムがある百貨店の沖縄フェアイベントに訪れた時に出会った
「U原工芸」という黒檜彫刻を専門とした仏像を制作するお店の紹介をしていくね。
お店っつうても、百貨店の場所を借りて製品を出展しているから、
お店という表現は正しくないかもしれないけど、便宜上、お店と表現するね。
そのお店の前には
木彫りの仏様がいっぱい飾られており、
阿弥陀如来さん、大日如来さん、
特に不動明王さんがいっぱい並んでいた。
店には2人おり、
50年のキャリアを持つお父さんが息子と一緒に製作しているようだ。
今回はこのお店の紹介を通じて、
巧みな彫刻の技や不動明王さんの基礎を説明していくね。
さぁ、それではスタートだぁ!
沖縄の文化
オムが興味津々に仏像を眺めていると、息子さんが声をかけてくれて、
沖縄の風習やその仏像の鑑賞ポイントを教えてくれたよ。
聞くところによると、
沖縄では先祖崇拝はあるが仏教というのは普及していないようだ。
そのような風習の地域で仏像を製作するようになったキッカケは謎ではあるが、
店頭の仏像の仕上がりを見ていると、
仏教に対する熱い想いがメラメラと十分に伝わってきた。
その精神と技について、次に説明するね。
木彫りの技と精神
しばらく不動明王像をジーっと見ていると、ある所に気が付いた。
それは衣部に細かい点が打たれていたことである。
これを打つことで、肌部と衣部の質感の違いを表現しているらしい(図1)。
おむは窪みによって、光の反射が変化していることをコメントすると、
店員さんは大きく頷いてくれたのだ。
高さが20〜30センチほどの不動明王さんを作るのに、
1個製作するのには約2週間程度かかるようだ。
時間の長さよりも細かい作業を長く続ける集中力がすごいとオムは思った。
聞くところによると、
不動明王を彫るにはエネルギーがいるようで、
気分が悪くなる時があったようだ。
霊媒師の方に見てもらうと不動明王にお参りをすることをアドバイスされて、
以降お参りをするようになったんだってさ。
製作する時は、激しい音楽をかけて、不動明王を製作するようだ。
分野はロックではないようだが、
激しめのリズムの方が動的な形を作り上げるのに良いんだってさ。
確かに沖縄だからといって「島唄」を流しながら掘ると、
不動明王の表情が優しくなりそうなので、
ロックの方が不動明王らしく険しい表情に仕上がりやすいと感じた。
すると君の心の声が聞こえてきた。
心の声「仏様なのに険しい表情してるん?」
それはとてもイイ質問だね。次にそれを説明していくね。
不動明王の役割
「なぜ不動明王さんは怒った表情なのだろう?」
それを説明するにあたって、
不動明王さんが仏教の中でどのような役割を果たしているかを知る必要があるんだ。
重要なことはゆっくり丁寧がオムのモットーだから、肩の力を抜いて聞いてね。
例えばね、学校の生徒指導役の先生を思い出してほしいんだけど、
生徒がね、もし校則に違反するような行いをすると、
先生がとても厳しく指導するよね。
それは何故かというと、
優しく言うより厳しく言う方が、生徒に対して強い印象として残り、
二度と同じことをしなくなることを先生は願っているからなんだ。
この先生を不動明王、生徒を仏の教えを守らない人に置き換えてごらん。
なぜ不動明王が険しい顔をしているかがわかると思うんだ。
険しい表情なのは仏の教えを守ってもらえるようにするためなの。
不動明王さんが登場したのはその当時の時代背景と密接に関わってくるんだけど、
その詳細は次回パート2で説明するね。
木彫りの特徴
さて、話をもどすと息子さんはフィギアの方を長年製作していたようだ。
そのスキルもあり手は器用な方なのであろう。
聞くところによると、フィギアと木彫りとの違いは木彫りはミスしたら終わり、つまり修正ができない一発勝負であるらしい。
父はミスせずにさぁっと掘っていくと息子さんは語っていた。
その親の姿を見ながら今後も切磋琢磨していくのであろう。
この息子さんの将来が楽しいものである。
オムは最後に不動明王像の写真を撮らせてもらい、お店を去ったのであった。
まとめ
①沖縄の風習は先祖崇拝であること。
②木彫りの精神は「リズム感」「細かい目線」「一発勝負」
③険しい表情の不動明王さんは内に優しい心を持っていること