背景
今年は大阪にある太融寺(真言宗派)で
除夜の鐘を聞いてきたのだ。
そのエピソードを仏教の基本も交えながら
説明していくね。
除夜の鐘って何だろう?
お寺の鐘ってそもそも何であるんだろう?
それらをオムなりの目線で解き明かしていくからさ。
すでに基本を知っている方は
釈迦に説法だから、始めはすっとばして、
目次3(大晦日の太融寺)から読んでいってね。
この記事の概要は以下の通りだ。
I_除夜の鐘とは?
II_太融寺での除夜の鐘の状況
(雪赤丸と鐘好き好きボウシの登場)
III_除夜の鐘に参加して学んだこと
ここで注目して欲しいことは、
なんと、IIはオリジナルキャラなんだ!
彼らがするどいツッコミをいれるから、
楽しみにしててね(^ ^)ルンルン♪
さぁそれではスタートだぁ。
除夜の鐘とは?
除夜の鐘とは、
修行を積んだお坊さん達が大晦日に鐘を108回ツク行事なんだ。
では、なぜ大晦日に鐘をツクんだろう?
その諸説は複数あるんだけど、
お寺の鐘は、
古くから時刻を知らせる目的で使用されていたんだってさ。
っていうことはさ、
鐘を108回ツクことで、
お坊さんだけでなく村人達にも
新年を迎えたことを知らせていたとオムは思うの。
昔は時計という便利なものはなかったからね。
108回ツク意味とは?
これも諸説が複数あるんだけど、
オムが支持する説は、煩悩説なの。
煩悩(ぼんのう)とは、人間の平常を乱す心の働きのことで、
煩悩の数=108つと言われているんだ。
その内、「財」「怒」「ねたみ」は
三毒と言われていて、
仏教では最も克服すべき欲なんだってさ。
鐘を108回ツクことで、煩悩が払われ、
心が清らかな状態になっていくんだろうね(図1)。
これによって、
心を新しくして、
新年を迎えていくわけだ。
んじゃ、なぜオムは煩悩説を支持するのか?
そのためには、
まずは鐘の歴史から探っていこう!
梵鐘の歴史
これから鐘(図2)の歴史ついて、
語っていくんだけど、
ちょっと待ってね。
正しくは、
梵鐘(ぼんしょう)という名前だから、
覚えておいてね。
ここでは便宜上、鐘と記すからね。
これは東アジアから仏教法具として、
仏教伝来と共に海を渡って日本に伝えられたの。
梵(ぼん)とは、
サンスクリット語で「Brahma=神聖・清浄」
を音訳した文字と言われているの。
このことから鐘は
神聖なモノ、清浄なモノとして、
古くから使用されてきたことが
わかると思うんだ。
オムが煩悩説を支持する理由は
ココにあって、
鐘は清浄なモノとして言い伝えられているので、
人間の心を清らかにする力が
それに宿っていると思うわけなの。
そんな不思議な効果が
発揮されることを想像すると、
除夜の鐘を鳴らしに行きたくなるよね。
今回は太融寺の除夜の鐘について、
実体験をもとに君に伝えていくので、
肩の力を抜いて読んでいってね。
大晦日の太融寺
大晦日の夜は色々な問題が起こるの。
しかも新型コロナウィルスの影響もあるし、
太融寺の運営側も大変そうだ。
ココでは以下のことを説明していくね。
①寒さ対策!(雪赤丸の登場)
②鐘好き好きボウシとは?
③オムが遭遇したトラブル
出発前の準備
実はね、
去年も除夜の鐘を聞きに行ったんやけど、
残念なことがあったんだ。
なんと!寒くて、風邪を引いちゃったの(泣
今年はそれを防ぐために、
マスクはもちろんのこと、
貼るカイロを胸に貼って、
体を冷やさないように対策をしたの!(下図3)
貼る場所は心臓に近いところ!
燃やせ心!の気持ちで挑むのだ!
ハート!ヒート!ボ~ン~~♪
あれれ?よーく見ると、何やら右に
白いだるまさんみたいなモノが
ツッコミを入れてるゾ〜。
このモノは、
雪赤丸(ユキアカマル)といって、
神社仏閣について詳しく教えてくれるのだ。
深く知りたい人はココを読んでみてね。
太融寺に到着
太融寺には早めの11時半に到着した(図4)。
すると何やら貼り紙にこう書かれていた。
毎年、一般参拝者も
鐘をツクことができるんやけど、
今年はコロナの影響で・・・
ちゅぅうーしぃーー(>_<)あっちゃー!
ということで、
今年はお坊さんのみで鐘をツクようだ。
たしかに色んな人が
ギュ〜って紐を握るから、
仕方がないんだけど、
鐘をツクことが大好きな方にとっては
ガッカリだよね。
その気持ちオムにもわかるよ。
だってオムも鐘をツクのが好きやしさ。
もしかすると、
紐を触れないなら、
頭突きで鐘を鳴らしたいとか考える
体育会系の方も出てくるかもしれないけど、
危険だからやめてね。
たしかに、
頭の中から煩悩が生まれるから、
頭を鐘に打ち付けて、
煩悩の消滅を果たしていく
という気持ちもわかるの。
でも危険だから、やめてほしいの。
その代わり、
オムが別の方法を教えてあげるから、
我慢してね。
鐘を突きたくなったらコレを買おう
それは、小型の鐘!喚鐘(かんしょう)だ!(図5)
手の平サイズなので、
これを購入すれば、手軽に持ち運べて、
いつでも鐘をツケるようになるんだ。
さらに道着などを着るとおすすめだよ。
こうすることで、
修行をしている者としての意識が芽生えて、
煩悩を滅する効果が
より一層、期待できると思うの。
このレベルに達した者を鐘好き好きボウシとオムは呼んでいるんだ(下図6)
ここまでできるようになると、
すごいと思うんだ。
このサイトに来てくれた君も
是非、鐘好き好きボウシを目指してみてね。
さらに、もっと言うと、
修行を長く積むことで、
より効果的な方法を使えるようになるんだ。
今度、記事にするから、
楽しみにしててね(^_-)-☆
仏さんに挨拶をするオム
さてと、除夜の鐘が始まるまでは、
仏さんを拝みにいこうかと計画していた。
実は太融寺には仏さんがいっぱいおられるのだ!
まだ12時まで
20分くらいの時間に余裕があるし、
ゆっくりとお経を唱えることにした。
まずは不動明王さんから拝みに行こう(図7)
ココには数十個の提灯が
円を描くように設置されており、
ほのかな光を発していた。
その中心には
やや暗めの不動明王像が立たれており、
光との明暗差によって
幻想的な空間となっていた。
その空間にスゥ〜っと引き込まれ、
オムはお経を唱え始めたのであった。
仏説摩訶般若波羅蜜多・・・
不動明王さんを拝むのに夢中なオムは
全然周りが見えていなかった。
そして、トラブルが発生したのだ・・・
トラブルとは?
仏さんを拝むオムの耳に
ボ〜ン〜〜〜っと
鐘の音が聞こえてきたのだ。
これは
除夜の鐘がスタートしてしまったようである。
オムは、
「まだ11時50分?あれ?まだ12時ちゃうし」
って心の中でつぶやきながら、
急いで鐘の方へ向かった。
早めに到着していたのに関わらず、
除夜の鐘スタートに参加できなかったことに対して、
とても残念な気持ちになりながら、
走っていった。
除夜の鐘スタート
除夜の鐘が数回鳴らされて間もなく、
オムは現場に到着したのであった。
ココでは以下のことを説明していくね。
①除夜の鐘の状況
②数珠、合掌の意味
③オムが遭遇した2回目のトラブル
スタート数分後の状況とは?
何やら雪赤丸が
ツッコミを入れているようだ(図8)。
久しぶりに降る雪を目の前に
雪赤丸が喜んでいるのであろうか。
いつも以上にツッコミが
激しくなっているようである。
鐘の周囲には、
3人のお坊さんが座っており、
お経!を唱えられていた。
仏説摩訶般若波羅蜜多・・・
それと調和するように、
住職さんが片手で優しく棒を鐘にツイていたのだ(図8)
住職の手元をよーく見てみると、
もう片方の手に何か持っているようだ。
じっくりと目をこらしてみると・・・
なんと!
住職の左手には数珠が握られていたの!
数珠の使い方とは?
どのような目的で使われるのだろう?
調べてみると、
念仏を唱える時に
何回唱えたかを計測することに
用いられることが多いようである。
おそらく左手の数珠は
鐘をツイタ回数を
チェックしているのであろう。
「鐘の音」と「お経」のハーモニーを感じるオム
住職さんの方を見るとあまり力を入れず、
鐘を棒でツイていた・・・
ボーン〜〜〜〜
まるで、鐘をいたわっているかのようだ。
ボーン〜〜〜〜
鳴り終わるまで、約15秒であった。
耳に音が届くと同時に、
重圧が体全体に感じられ、
しばらく深い余韻が頭の中を駆け回っていき、
ジワジワと音のカケラが消えていく・・・。
それと同時に、
仏説摩訶般若波羅蜜多・・・
っという
お坊さんが唱えるお経の声が聞こえてくるのである。
オムは目をつむりながら、
この音の響きだけに集中すると、
とても心地の良い気持ちになれた。
鐘の音とお経の調和により、
まるで別の世界にオムはいるようであった。
そしてまたボーン〜〜〜と響きわたるのである。
その間、オムを含め一般参拝者は
手を合わせた合掌(がっしょう)の姿勢で、
音の響きを感じていたが、
しばらくすると、またトラブルが発生したのだ。
トラブルとは?
大晦日の夜はとても寒いの・・・
まるで冷蔵庫にいる感じだ・・・ブルブル
風も吹いており、
その冷気が体から熱を奪っていくのである。
寒さ対策のため、
カイロを装備していても寒い!
なぜだ!!!!
それは、
合掌を続けていると、
手先からジワジワと
冷えてくるのである(図9)。
ココからオムは自分との戦いであった!
内心「コートの中に手を突っ込みたい!!」
内心「いやいや、
住職さんが寒い中、鐘をツイテるのに、
コートのポッケに手を突っ込めない!」
オムはしばらくこの自問自答を繰り返していた。
一方、雪赤丸は微動だにせず
不動の精神を貫いている。
悟りを開いたモノは寒さを乗り超える
忍耐力が備わっているのであろう。
オムにはそのような力が乏しく、
震える体を抑えようと必死であった。
それほどまでにして、
合掌をほどきたくない理由は
実は他にもあったのだ。
合掌(がっしょう)とは?
どのようなことかと言うと、
仏教では右手が仏、左手は自分を表している
と言われており、
合掌は、仏と自分が一体になることを
示すといわれているんだ(図10)。
言い換えると
仏さんと自分が寄り添うという表現がわかりやすいかもしれないね。
もし合掌をほどいてしまうと、
その一体感が失われてしまう可能性があるのだ!
そこでオムは
ボーン〜〜〜仏説摩訶般若波羅蜜多・・・
の世界に浸っている最中、
必死で合掌を続けたのだ!
手の平に力を込めて、
何とか寒さを乗り越えようとしていたが、
とうとう我慢できず、
合掌をほどいてしまった・・・
しかし、驚くのはここからであった!
なんと!
オムの斜め前に立っている年配の女性2人は、
微動だにせず、合掌をし続けていたのだ。(図11)
この出来事は
さすがの雪赤丸も驚いているようである。
このご老人達はおむに対して、
まるで山のように動かずに立ち向う精神、
つまり不動心というものを
背中で伝えているのであろうか
それを感じた瞬間、そのご老人達に対し、
不動明王さんのお姿を重ねていた・・・
体に突き刺さる「冷気」を
まるで「炎」と化すような姿を見せられて、
オムの心は激しく燃え上がったのだ!
この経験から、
来年の大晦日は、
微動だにせず合掌をし続けることを
オムは決意したのであった(図12)。
不動の心を説いた雪赤丸は
最後にこうつぶやいたのだ。
カイロの効果は一時的、
不動心は永続的だということを。
まとめ
①除夜の鐘は
心を清らかにして新年を迎えるという
行事である。
梵には神聖・清浄という意味合いがあり、
梵鐘の音は心を清浄化すると
言い伝えられている。
②合掌をすることで
仏と自分が一体になれると
言い伝えられており、
梵鐘の音とお経も感じることで、
心を清らかにする効果がより一層、
期待される。
③除夜の鐘を近くで聞く時は、
真冬の寒さと煩悩に立ち向かいながら、
合掌をする精神力と体力が大事である。
日頃から不動心を養う鍛錬をしよう。
④鐘好き好きボウシのように
喚鐘(かんしょう)という小型の鐘を持つと、
手軽に持ち運びが可能となる。