おむ流 お香の使い方

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枯木神社 歴史

お香

日本におけるお香の原点は淡路島とされており、
それを確認すべく、愛車で現地を訪問してみたよ。

お香製品は線香や匂い袋など、タイプがたくさんあって、
その香りの原材料は香木が含まれていることがほとんどやねん。
その香木について、さらっと紹介するね。

香木とは?

香りを放つ木のことで、
代表的な種類は以下の3つやで。

①白檀(=ビャクダン(英名:サンダルウッド))
 (サンダルウッドのレッドリストはこちら)
②沈香(ジンコウ)
③伽羅(キャラ)

今回は2の沈香について説明していくね↓

沈香(薫寿館にて撮影)

香木が流れ着いた場所

その場所は枯木神社と言われている。

枯木神社 歴史

写真の内容を見やすくすると以下の通りである

奈良時代の推古天皇の夏四月、
沈水という香木(沈香木)が、南天竺(東南アジア)より
淡路島南海の浜に漂着した。
その中で一番大きい香木を天皇に献上。
大喜びの天皇は念願の観音様を造立、祭祀なされた。
2m余りの割合細い香木も下の浜辺に漂着。
海辺に住む人々は流木を薪にしようと、
ノコギリで引きかけると、障りがおきる。
恐れた人々は何回も沖へと流したが、
浜辺へと漂着してくるために社を建てお祀りされた。

この流木を火にくべたところ、素晴らしい香りが広がったことから、
人々が朝廷へと流木を献上したとされている。
その一部は、ココにご神体としてが祀られているようだ。

この歴史から、淡路島に沈香(ジンコウ)が漂着したことがわかり、
ココの島が日本のお香の原点であることを確認することができたのだ😆

枯木神社 境内

境内は南国風の植物が生えており、
バリにいるような雰囲気を醸し出していた。

すぐそばに海岸があり、
広大な海が眺められる。

沈香が漂流していた海

そっと目を閉じると、
波や風の音が耳をなでる、、、
ここに香木が流れ着いたことを
イメージしてみると、
奥ゆかしい気持ちになっていった。

ふと目を開けて、持参した線香を
ここであげようと思ったが、
神社で線香を上げることに戸惑ってしまい、
止めることとした、、、

ちなみに淡路島は日本における線香生産の約7割を占め、線香の製造が盛んな地域とされているんだってさ。

それを製造するお香屋を次に紹介していくね

薫寿堂

枯木神社から南に走っていくと、
薫寿堂(クンジュドウ)というお香屋さんが見えてきた。

薫寿堂

ココは線香の手作り体験や工場見学ができるのだが、
お盆の時期は工場が休みのようである。

店に入ってみると、
香りの原材料(香料)が数多く展示されていた。

特に麝香(ジャコウ)については、
ワシントン条約によって国際的に輸入規制がかけられているため、
滅多にお目にかかれない代物である。

ジャコウ

せっかくなので香りを嗅いでみると、
烏龍茶❓麦茶❓が乾いた後のような香ばしさと
暖かく重たい香りを感じた。

ジャコウの詳細は別の機会にまとめるので、
今回はこの程度にとどめておく。

しばらく製品を眺めていると
先ほどの原材料が含まれた製品が
数多く並べられていた。

お目当ては沈香を使用した線香である。
店員さんによれば、シャム産地の沈香は
質が良い
とのことであったので、
こちらの線香を購入することとした。

沈香入り線香

線香の作り方

1️⃣前項の原材料と、つなぎとなるタブノキの粉(タブ粉)を混ぜて均一にする工程

2️⃣水を加えて、混錬機で練る工程

3️⃣円筒状にプレス成形後、小さな穴から押し出す工程

詳細は薫寿堂の工場見学をする必要があるが、
おおまかな工程はこんな感じであろう。

線香の使用方法

線香の使用方法としては、
寝かせるタイプと立てて使用するタイプがある。
そこでオムがよく使用する方法をご紹介していこうと思う。

・用意するもの
勾玉(マガタマ)、小皿、マッチ、ろうそく

勾玉

マガタマ


この中で重要なアイテムは勾玉(マガタマ)だ。
ココで重要な所は、勾玉の穴に線香を入れれば、
線香立て代わりとなることだ‼️

線香立てにしてみた

出雲勾玉の生産地である島根観光ナビによれば、
勾玉の用途は以下のように時代によって変遷していることがわかった

・石器時代 魔除けのため
 動物や魚の骨や牙などを魔除けとして身に付けていたものを石で作成

・飛鳥時代 神様を祀るため
 
・奈良時代 皇位の象徴

このような変遷が見られるが、
勾玉に見られる独特な形状は
何に由来しているのか気になるところである。

調査を続けていくうちに面白いことがわかってきた。
それは以下の3点である。

①古代、月を信仰の対象とするに伴い、石を月の形にデザインするようになった
②始まりの形である「胎児」を形とし、若さと力を手に入れようとした
③穴は先祖とのつながりを意味するようになった

このことからイメージされることは、生死であろう。
勾玉には生命の誕生と、あの世とのつながりがあるので、
勾玉と線香は相性が良いとオムは気付いたのだ❗️

線香を焚いていくと、
ドンドンと短くなっていき、
やがて勾玉の穴の中へとおさまっていく。

この瞬間、祖先との繋がりが密になっていく、、

その穴はまさしくこの世とあの世の
を繋ぐ入り口ではなかろうか。

このサイトに訪問してくれた君も
このやり方を試してみることをお勧めする。

お香ご飯

料理の香り付けに良いとされるので、
お香を使ったご飯を紹介します。

炊飯器の中に線香を数週間入れておけば、
香りが炊飯器にこびりつくようになる。

その後、線香を取り出して、
その炊飯器でご飯を炊くのである。

香りが米粒にまとわりついて、
ほのかな線香の香りが広がるのである。

それを口にいれると、
とても良い風味が口いっぱいに広がるわけである。

オムの場合は沈香入りの線香を使ってみた。
沈香の香ばしさが加わり、
ご飯がさらにうまくなったのである!

このようにお香は宗教的な用途だけでなく、
ふだんの生活にも活かせることがわかるので、
色んな場面で取り入れてもらいたい。