概要
鬼は外〜福は内〜と言えば、ご存知のように「節分」での豆まきで発する掛け声だ。今年の恵方は北北西である。これらの歴史的な背景を知っているかな?キーワードからすると、「鬼」、「福」と「節分」には関係性があるようだ。まずはこれらから紐解いていこう。
以下の内容は太融寺の寺子屋ぽっとでの内容を基にして、独自の目線で切り込んだ内容である。
節分とは
漢字から紐解いてみる
節はフシと読むので、節分は「フシを分ける」というイメージが膨らんでくるよね。
ってことは節分とは豆まきに限らず、色んな分野で使われるってことになるやん。
では、この考え方で一年間を節分してみたら、複数の方法があることを調べてみるとわかってきた。今回は豆まきに限定しているため、二十四節気という考え方で節分を説明していくで。
二十四節気とは
太陽の動きに基づいて、日の出の長さから春夏秋冬という4つの季節に分けらた後、さらに自然現象に因んで細分化されることで、一年を二十四に区別する『二十四節気』という数え方が生まれてん。これは中国において、紀元前7世紀ごろから使われていたと言われている。
その詳細は以下の通りだ。
・立春(りっしゅん)2月4日 一年の始まりの日
・雨水(うすい) 2月19日 雪が雨に変わり、氷が溶けて水になる
・啓蟄(けいちつ) 3月15日 大地が温まり、虫が地中からでてくるころ
・春分(しゅんぶん) 3月21日昼と夜の長さがほぼ同じになる日
・晴明(せいめい) 4月 5日 清々しく空も明るく晴れ渡る
・穀雨(こくう) 4月20日 穀物にとっては成長を助ける雨が降る
・立夏(りっか)5月 5日 夏の始まりの日
・小満(しょうまん) 5月21日 陽気が天地に満ちる
・芒種(ぼうしゅ) 6月 6日 稲、麦など芒(のぎ)を持つ穀物の種をまく時期
・夏至(げし) 6月21日 北半球では1年で最も昼の時間が長い時期
・小暑(しょうしょ) 7月 7日 梅雨明けが近づき、暑さが本格的になる
・大暑(たいしょ) 7月23日 快晴が続き、気温が上がり続ける
・立秋(りっしゅう) 8月 7日 秋の気配が立ち始める日
・処暑(しょしょ) 8月23日 暑さがおさまり、朝夕は涼しい風が吹く
・白露(はくろ) 9月 8日 朝夕、庭に降りた霧が白く見え、秋季を感じる
・秋分(しゅうぶん) 9月23日 昼と夜お長さがほぼ同じになる日
・寒露(かんろ) 10月 8日 白露よりも気温が低く、霧が寒冷になる
・霜降(そうこう) 10月23日 冷え込み、露が霜になる
・立冬(りっとう) 11月 7日 冬の季節が始まる日
・小雪(こゆき) 11月22日 徐々に寒くなり、雪が降り始める頃
・大雪(たいせつ) 12月 7日 本格的に雪が降り始める頃
・冬至(とうじ) 12月22日 一年の間で昼が最も短くなる日
・小寒(しょうかん) 1月 5日 寒さがさらに厳しくなる頃
・大寒(だいかん) 1月20日 さむさが最も厳しく、一年中で最も寒い時期
この内、節分は各季節の節目に相当するので、
立春、立夏、立秋、立冬の前日が節分となるわけだ。
二十四節気では立春が一年の始まりとされているので、その前日に豆まきをして、その年の厄を払う風習ができたわけだ。それが『豆まき』だ。
豆まきの由来
昔は季節の変わり目には邪気が生じると考えられており、鬼や災難を払う行事が行われていたらしいわ。これを『追儺(ついな)』というねん。
当時は偉い人が桃の弓、葦の矢を持ち、鬼に扮した家来たちを追いかけて逃走させる宮廷行事があったらしいわ。ここでオム目線の始まりだ。
当時はリッチな階級向けの行事であった追儺は、いずれ庶民にも広がっていくことで、豆まきという風習ができたのではないだろうか。もっというと、世の中の文化はまずリッチ階級から広まっていき、やがて豆、イワシといった庶民に手が届きやすいモノで厄払い方法が変化していったのであろう
厄払いに豆が使われたのは、魔(マ)を滅(メ)っすること、目(メ)を潰すことが由来としてあるようだ。
厄払いの対象として鬼の姿は中国の十二支の考え方によるねん。
十二支とは時刻、季節を表したもので、
図にあるように、北東の方角は鬼門と呼ばれているようやわ⬇️図
鬼門に相当する十二支は丑(うし)、寅(とら)であることがわかる。
ここから、うしのツノととら柄のパンツを鬼の姿に取り入れたと考えられているらしいで。
恵方と歳神様
歳神様はその年の福徳を司る神さまのことで、お姿はおんな感じだ⬇️図
歳徳神がどの方角にいらっしゃるかは十干(じっかん)で決まるねん。
この方角を恵方というようやわ。
この考え方は中国の陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)という考え方に由来しており、詳細は以下の通りだ⬇️(数字は西暦の一桁目)
甲(4)きのえ、乙(5)きのと、
丙(6)ひのえ、丁(7)ひのと、
戊(8)つちのえ、己(9)つちのと、
庚(0)かのえ、辛(1)かのと、
壬(2)みずのえ、葵(3)みずのと
さらに西暦の下一桁と恵方が決まっている⬇️
4.9 東北東
5.0 西南西
6.1 南南東
7.2 北北西
8.3 南南東
今年2022年は下一桁2なので、
北北西の方角に歳徳神が
いらっしゃることとなるのだ。
昔の人は恵方に向いて、太巻きをもぐもぐしながら新年の願いを歳徳神に伝えていたようだ。
豆まきをすることで厄を払い、福徳を得ようとする文化があったことがここからわかってくるね。
オムも厄払いと福徳をいただくため、準備を始めることとした。
厄除け&福徳メニュー
おかめとオニ君の物語
主役はやっぱりコレやな⬇️図
7種の具を組み合わせることで、福徳の相乗効果が得られるようだ。
しかし、まだまだこれからやで。
節分を盛り上げるのは彼らだ⬇️図
おかめは福を表しており、オニの暴走を止めるべく優しく諭す役を節分では担ってるのだ。
写真ではジューシーなお肉でオニ君の暴走を止めようしているのだが、霜降り肉を前にしたオニ君は興奮が抑まらないようだ。
そこでおかめは次の手に出た。
おかめ「さぁさぁ、福を脱いで、こっちへお入り❤️」
おかめはオニ君の福を脱がせて、温かいお風呂に誘ったのであった⬇️図
オニ君は「エエ湯や!」と大変満足している様子であるが、おかめが混浴してるのに、それには気付いていないようだ。プライドが傷付けられたおかめは、オニ君にお仕置きをしようと試みたのであった!
そこでおかめはオニ君の顔面に目がけて、イワシをぶち込んだ⬇️図
怪力のオニ君であっても、さすがにこのイワシの匂いに耐えられず、力が無くなってきたようだ。
オニ君はおかめのお仕置きに参ったようで、大人しく故郷へと帰っていったのであった。
おかめとオニ君から学ぶこと
オニ君はおかめという福が近くにいるのに、気付かないでいた。このように自身の興奮した心や、その場の居心地の良さによって、近くにある大切なモノに気付かないでいることがある。
まずは興奮を鎮めて、穏やかな気持ちで周りを見てみよう。おかめとオニ君はそのようなことを君達に教えてくれているだろう。
まとめ
•節分は季節の節目でその年の厄を払い、新年に向けて福を得る儀式である
•二十四節気では立春を新しい年の始まりとするので、その前日に豆まきをする文化が形成された。